「ゆとり世代は仕事ができない」という言葉がでる人は、仕事ができない人

ゆとり世代だと言われる。
軟弱ですぐ諦めるとか、仕事ができないとか。
全体の話は置いておいて、
「自分の周りでもそういう人間が増えた」などというのは、イメージによる偏見です。

世の中にはいろんな人がいます。
強く言われると落ち込んでしまう人、仕事ができない人。
心を強く持つ人もいれば、若手でもバリバリに仕事をこなす人もいます。

そういう人を何千人、何万人と集めて調査して、全体として僅か数パーセントという差が出ます。
これが世代ごとの傾向と表現されるもの。

自分の周りの5,6人のサンプリングにその結果が現れることは絶対にあり得ません。
ある特定の目が出る確率が20%もある偏った不良なサイコロがあったとして、5,6回振っただけでそれが正常か異常か判別できるでしょうか。
5,6回も振れば、大抵どれかの目が2回以上出ます。それを見て偏ったサイコロだと判断することはできません。その目が二回出たのはたまたまだという以外ありません。

自分の周りに若手の仕事をうまくこなせない人がいたとして、その理由もたまたまだという以外ありません。「ゆとり世代だから」というのはあまりに強引な決めつけであり、事実に基づかない差別的な言葉でもあります。

なぜそんな決めつけが横行するのか。
人は自分にとって都合のいい事実を受け入れたいという願望があるからです。
ゆとり世代だから仕事ができない」と決めつけることで、「そうではない自分は仕事ができる」という優越感に浸ることができます。

でも、こんなことを言い出す上司は滑稽でしかありません。

本来上司は、広い視野をもって客観的に、冷静に物事を判断できる者がなるべきです。
パソコンもろくに使えない、ITにも対応できていないような人が上司になるのは、その能力が優れているからということになっています。

ゆとり世代だから」などと決め付けるのは、主観や思い込みに流されて冷静に、客観的にに判断することができないと自分から公言しているようなものです。