自然エネルギーが普及しない理由

自然エネルギーはおそらく普及しないでしょう。

なぜなら、自然エネルギーのほとんどは決定的なボトルネックが存在するからです。
エネルギー密度があまりに低い。

太陽光は総量で言えば世界を温めるだけの膨大なエネルギーですが、単位面積あたりだと大した大きさにはなりません。
火力発電で1000℃くらいの高温を扱うのに比べるとあまりに小さい。

当然と言えば当然です。そんなー高いエネルギー密度の中に晒されれば、人間も生物も生きてはいけません。

密度が小さい中でたくさんのエネルギーを集めるには、器を大きくするしかありません。
太陽光発電ならば大きなソーラーパネルが必要ですし、風力発電では巨大な風車を用意する必要があります。
大きな器を用意するには膨大なコストがかかります。そのコストに見合うだけのエネルギーを得るのは不可能でしょう。

高価なエネルギーを高いコストで買い上げ、それを電気料金に還元しますから、電気料金はどんどん上がります。もし全て自然エネルギーとなれば、電気料金は今の3、4倍にはなるでしょう。

さらに、設備投資費用も国民負担としてのしかかります。

普及が進めば価格が下がるという見通しの人もいますが、これも望み薄です。
巨大で、単純な加工しか行わないものを作るとき、大きなコスト要因は材料費や加工費、設置費用などです。
これらの技術はもう何十年も前に成熟しています。
また、量産化が進んでも圧縮するのが難しいコストです。

1割か良くて2割程度は安くなると思いますが、テレビや家電製品の様に5分の1、10分の1というオーダーで安くなることは考えられません。

ほとんどの自然エネルギーによる発電は、この壁を越えることはできません。

超えられる可能性があるとすれば、地熱発電でしょう。
百度という高温の蒸気からであれば、やり方次第でいくらでも効率よくエネルギーを取り出せます。
大きな技術革新によって一気に普及する可能性も高いでしょう。