民主主義の不平等

民主主義は一票の価値は同じだから平等である。それは事実である一方、それによって不平等が引き起こされることがあります。

6割の人が支持するA党と4割の人が支持するB党があったとき、選挙をすれば必ずA党が勝ちます。
勝利したA党は、その支持者に受益が発生するような施策を次々実行します。それによって支持がより強固なものになり、選挙をする度勝利する構造になります。
逆にB党は常に敗北し、支持者は自分達に不利な施策を受けてしまいます。

まさに今タイで起こっている深刻な対立です。

これは民主主義の持つ決定的な欠陥です。多数決によって少数派は必ず切り捨てられます。
ある時は多数派、ある時は少数派とバランスが取れていればまだいいですが、常に少数派に立たされると不満が起こるのは当然です。

選挙による解決が不可能である以上、少数派が実力行使によって自らの言い分を通そうとするのも自然なことです。

根元が民主主義の本質的な欠陥にある以上、この問題は決して解決されないでしょう。

さて、日本でもこれが起こるでしょうか。
高齢化進行による深刻な世代間対立というのが、起こっても不思議ではないくらい若者は虐げられているのだけど。