未来予測:自動運動自動車

日産が自動運転自動車を販売すると発表しました。
今注目の自動運動技術ですが、自動運動技術の課題はと言われるとハードルはまだまだ高いでしょう。

最大の課題は安定化の壁でしょう。
現在見込まれる自動運転では、いわゆる制御工学による安定化は不可能です。
つまり、何らかの予期しない外的要因に晒された場合に暴走する可能性がないと保証することができません。

路面が凍結していた、突然濃い霧が発生した。
竜巻や砂嵐、突然の強風。雷。地震津波
動物が飛び出して来た。
なぜかマンホールの蓋が空いていた。

全てに安全な対応をする必要があります。

またその対応は、通常の制御動作の中で安全性を確保するものでなければならず、
異常な状況を認識することによって安全側に倒れるという制御であってはなりません。

異常を認識することで安全を確保するならば、異常の認識に失敗したり想定外の異常であったとき、途端に不安定化し、時には暴走という事態に陥るからです。

この壁は想像以上に大きいでしょう。
ある特定の条件に陥ると時速100キロで壁に突進しますなどという自動車は、たとえその可能性が極めて低くても、誰も乗りたがらないでしょう。

絶対に越えられないとは言いませんが、この壁が最終的に普及を妨げる要因になる可能性も高いと思います。

そうなったとき、もう一つ別のコンセプトで自動運転を行う乗り物が注目を集めるのではないでしょうか。

鉄道です。

鉄道といっても、今世界中にあるような大型でたくさんの人数を運ぶものではありません。
小型で少人数(2~5、6人)を乗せる大きさのものです。
軌道も路面電車LRTのように自動車の道路と共用できるタイプです。

軌道上を走るとすれば、制御の難易度が大きく下がります。
暴走を本質的に防止する機構も備えることができます。
「危なくなったらブレーキを踏む」という単純な動作原理で安全を確保できます。

このようなタイプの自動運転車が広まる未来の方が、実現性は高いように思います。